アクロメガリーとのお付き合い

アクロメガリー(先端巨大症)と診断された40男のブログ。病気とのお付き合いや日常生活をリアルタイムで発信します。

低ナトリウム血症の原因と治療 170120

低ナトリウム血症はなぜ起こるのか。
そこにはバソプレッシン(抗利尿ホルモン)が関わってきます。

 バソプレッシンは尿崩症の記事でも説明しましたが、下垂体から出ているホルモンの一つです。
尿の出を抑える働きがあるんでしたね。

sgamakun.hatenablog.com

尿は体内の水分が腎臓でろ過されることで作られます。
バソプレッシンが働くことで、水分が必要以上に体の外に出ることなく、再び体内に戻っていくという仕組みが体には備わっているそうです。
ところが、なんらかの理由でバソプレッシンの出が抑えられない、もしくは、必要以上に出るようになってしまうと、水分が必要以上に体内にたまっていきます。
Naの量が増えずに水の量が増えると、Naの濃度は下がっていきますね。
これが下垂体手術の後遺症としての低ナトリウム血症の大きな原因の一つです。

尿崩症はバソプレッシンの出が悪くなることで、尿のコントロールがつかなくなる状態でした。
では、なぜバソプレッシンが必要以上にあるという状態になるのでしょうか。
一つ考えられることは、尿崩症の治療で使われる薬の影響です。

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尿崩症を治療するときには、バソプレッシンやデスモプレシンという抗利尿ホルモンを鼻からスプレーします。
手術の影響で、出のあまりよくないバソプレッシンを補うというものです。
この副作用として、バソプレッシンの量が過剰になることは充分考えられます。
尿崩症の治療にデスモプレシンを使う場合、かなりの頻度で低ナトリウム血症になるという論文もあります。

 

低ナトリウムの状態を改善する方法ですが、症状が軽い(血清Na濃度が120以上)場合は塩化ナトリウムを補充することが多いです。
ただし、短時間に大量の塩化ナトリウムを体内に取り入れると、透圧性脱髄症候群という、脳にダメージを与える症状のリスクが高まります。
血清Na濃度が120を下回ってくると、ナトリウムの補充だけでは不十分になってくるため、24時間で500mLから1000mLの飲水制限をすることが多いです。

うーん、尿崩症と低ナトリウム血症が同時に起こってしまうという状態が続くことってあるんだろうか。
正直わかりません...

【おまけの一言はこちらから!】

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