アクロメガリーとのお付き合い

アクロメガリー(先端巨大症)と診断された40男のブログ。病気とのお付き合いや日常生活をリアルタイムで発信します。

下垂体から分泌されるホルモンとその基準値 (その1:成長ホルモン) 170106

以前、下垂体線種を紹介した際に、下垂体から分泌されるホルモンについて若干触れました。

sgamakun.hatenablog.com

当然、これらのホルモンには基準値と言うものがあり、多すぎても少なすぎてもいけません。
多すぎる場合は下垂体性○○(ホルモン名)分泌亢進症、少なすぎる場合は下垂体前葉機能低下症という難病(特定疾患)となります。
そのため、採血のたびに検査結果についてはドクターと確認しています。
何回かに分けて、これら下垂体前葉から分泌されているホルモンの特徴と基準値などについてまとめていきます。
まずはアクロメガリーとも密接なかかわりのあるGH(成長ホルモン)からです。

GHには、成長に関する作用代謝をコントロールする作用があります。
成長に関する作用
主にGHの刺激によって肝臓で作られるIGF-1(ソマトメジンC)という成長因子が標的器官(骨や筋肉など)の細胞分裂を盛んにさせます。
代謝をコントロールする作用
GHが直接作用する場合、IGF-1を介する場合の両方があります。
・代謝促進 -- 炭水化物、タンパク質、脂質の代謝を促進する。
・血糖値上昇 -- 肝臓でのグリコーゲン分解を促し、また抗インスリン作用(インスリン
 を抑制し、血糖値を上昇させる)を持つため、血糖値を一定に保つ。
・恒常性の維持 -- カルシウム濃度などを一定に保ち、体内の恒常性を維持する。
・体脂肪動員の促進 -- エネルギー不足の状態の時、脂肪組織から遊離脂肪酸の形で放出させる。

つまり、GHが異常に分泌される状態が続くと、糖尿病のリスクが高くなるということなんですね。


GHの分泌異常によって起こるトラブル
GHの分泌が少ない場合、小児期には低身長(発達不全)となります。
また、成人期には体脂肪増加、筋肉減少、骨粗鬆症、スタミナ低下などを引き起こします。
なお、小児の下垂体機能低下症は小児慢性特定疾患の対象となっています。
GHの分泌が多い場合、骨の成長が完成前であると巨人症を引き起こします。
そして、完成後の場合はアクロメガリー(先端巨大症)となるわけです。

 

検査と基準値
GHは1日の変動があるため、IGF-1(GHの1日の総分泌量を反映する)の量を調べることが多いです。また、75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)によるGH分泌抑制試験によって、正確なGHの量を調べることもあります。

75gOGTTにおけるGHの基準値は1ng/mL未満となっており、これ以上の値の場合はアクロメガリーの可能性が濃厚だといえます。
また、GH機能低下については、2種類以上の分泌負荷試験を行い、全てにおいて1.8ng/mlの場合、下垂体前葉機能低下症(成長ホルモン分泌不全症)と診断されるようです。

IGF-1の基準値は性別や年齢によって異なっています。

http://www.acromegaly-center.jp/medical/pdf/IGF-1concentration_standard.pdf

  

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