下垂体から分泌されるホルモンとその基準値 (その2:プロラクチン) 160107
前回のGH(成長ホルモン)は自分の病気と密接に関係するため、詳しく書きすぎた嫌いがありましたが、ここから先はできるだけあっさり書こうと思います。
2回目はプロラクチン。
プロラクチンには、母乳の分泌を促進する働きや、排卵を抑えて妊娠状態を維持する働きがあります。
また、排卵が抑えられることで、出産後すぐに妊娠しにくくする働きもあります。
プロラクチンは女性ホルモンですが、男性にも分泌されています。
男性の場合は射精後に大量に分泌され、性欲を抑える働きがあるそうです。
プロラクチンの分泌異常によって起こるトラブル
プロラクチンが異常に分泌される場合を高プロラクチン血症と言います。
多くの場合、下垂体の腫瘍が関係するので、下垂体性PRL分泌亢進症(プロラクチノーマ)という難病となります。
主な症状は次の通りです。
・稀初月経
年に数回しか生理が起こらない。
・無排卵月経・無排卵・無月経:
生理や排卵が起こらない、または生理があるが排卵しない。
・不妊症
排卵が起こらない、あるいは起こりにくいことで、結果的に妊娠しづらくなります。
・乳汁が出る
出産の経験がある場合は、プロラクチン値が正常範囲でも乳汁が出る場合がありま す。
・頭痛・視野が狭くなる(視野狭窄・視力異常)
脳下垂体に腫瘍があって高プロラクチンになっている場合に起こる症状で、吐き気やめまいを伴う場合があります。
男性の場合は、性欲低下やインポテンツが症状として挙げられます。
プロラクチンの分泌が少ない場合を低プロラクチン血症と言います。
これは下垂体機能低下症の一つです。
主な症状ですが、男性は特にありません。
女性は卵胞の発育が不十分になることから不妊症につながりやすくなったり、授乳期における母乳の分泌低下などが症状として挙げられます。
検査と基準値
採血をして、血液中のプロラクチン量を測定します。
基準値は成人男性が3.6~16.3ng/ml、成人女性は4.1~28.9ng/mlだそうです。
20ng/ml以上(測定法によっては30ng/ml以上)の場合、高プロラクチン血症、1.5ng/ml以下の場合、低プロラクチン血症の疑いが濃厚です。
【参考にしたサイト】
http://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/kasuitai/prl.htm
難病情報センター - Japan Intractable Diseases Information Center
【おまけの一言はこちらから!】